婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
じっとりと玲人君を見れば、悪魔な顔で彼は笑った。

「なんなら早速この灯台の階段、五往復してもいいよ」

ええ〜、あれを五往復なんて死んじゃうよ。

「あ〜、無理!東京戻ったら頑張るよ。ね?」

玲人君の手を掴んでご機嫌を取ろうとするも、彼は目細めて私を見る。

「ふーん、瑠璃の俺への愛ってそんなもんなんだ?」

「……頑張ります」

彼への愛を証明するべく、泣く泣くそう言って、またもう一往復した。

愛を伝えるって大変なのね。

旅行中、終始彼に翻弄された私だった。
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