女の賞味期限
「はい。」

私がサンドイッチの袋を開けると、店員さんはおにぎりの袋を開けていた。

私がレタスハムサンドなら、店員さんはおかかのおにぎりだ。

おかかなんて、レアなチョイスだなと思ったけれど、袋の中にはちゃんと、シーチキンマヨネーズのおにぎりが入っていた。

そう言うところ、気にして買って来てるんだ。

ちょっとだけ、見直した。


「美味しいですか?」

「はい、美味しいです。」

「よかった。」

私達は、見つめ合うと自然に笑顔になった。


「そうだ。このハンカチ。」

私はさっき、顔まで拭かせてもらったハンカチを取り出した。

「洗ってお返ししますね。」

「あっ、いや別に……気を遣わなくても……」

「いえ。よくして頂いたお礼も兼ねて。」

私達は、顔を合わせて笑い合った。


「ところで、お名前聞いてなかったですよね。」

私は、恩人の名前も知らずに、朝食を食べさせてもらっていた。




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