その音が消える前に、君へ。


ここまでレイアントと生徒の関係が良好は異例と言われている。


深く入りすぎるとレイアントに依存する生徒もいるからだ。


だが私の場合、深く入り込まれた所でこの性格上依存するようなことはない。


それを知っていて信は本来の関係以上に、関係を築き上げてきた。


それを妬む人も稀にいるが、それを気にするような性格でもない。



「本当に仲良いよね~二人って」


「ちっとも嬉しくない」


「そう言ってて、内心犬みたいに尻尾ブンブン振り回してるくせに~」



頬を突っつかれ否定をしようとするが、その前に信に阻止され頭をぐしゃぐしゃと撫で回される。


この二人は私を虐めたいのだろうかと思う程、二人が揃うと私の扱いが雑になる。


でも嫌ではない。


この二人がいなければ、私のこの学校の生活は色のない生活へと変わる。


音に包まれる私の世界には、自分の色はない。


くすんでいる自分に色を添える二人は今日も暖かい。


……今日に関しては暑苦しいが。









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