小悪魔な彼
「小森くんのお母さんとはいつから知り合いだったの?」
お母さんは少し黙ったあと
『私達ね,幼なじみだったの。』
「幼……なじみっ!?」
また思いもよらぬ発言に私は声を荒げた。
『そうなの。爽太くんのお母さんもね,裕福な家庭だったの。
でも,旦那さんはすっごく貧乏でね?
親からの猛反対を押し切り結婚したのよ。
…て,まるで私達みたいね。』
母さんは電話の奥でクスッと笑った。
確かに。似ている。
でも,小森くんのお母さんが裕福な家庭だったなら…
「小森くんのお母さんの両親は,支援してくれなかったの?」
『…うん。もう縁を切る!なんて言われちゃってね……
私の家から秘密で支援はしてたんだけど,悪いからいいって…聞かなくて。』
それで,母さんからの支援も受けなくなっちゃったんだ。