小悪魔な彼
「やっぱり来てくれた。」
「ゆかり…ちゃん…?」
暗くて顔がよく見えない。
けれど、この声はきっとそうだ。
「可憐さんは、本当にお人好しね。」
人の気配が近づいたのがわかる。甘い香水の香りが鼻をついた。
そしてはっきりとわかった
形相。
彼女は,ゆかりちゃんだ。
「話したいこと、あったから…」
「話したいこと?なにかしら。」
わざとらしくにっこり笑う
その冷静振りに腹が立ったけど
今は飲み込むしかない。
そうじゃなきゃ
先に進めやしない。