刺す
刺す
私の目の前に、見知らぬ男が立っている。
金髪のチャラチャラした、いかにも頭の悪そうな男が。
横にいる、これまた頭の悪そうなプリン頭の女とバカみたいに大声で話している。
私は、カバンの中のナイフを確かめた。
鞘に収まってない、刃が剥き出しの果物ナイフ。
このナイフを、あのいかにもレベルの低そうな男の腹部に刺す。
死ぬか死なないかはどうでも良い。
刺したいから、刺す。
単純だ。

私には、以前から人を刺すと言う願望があった。
ずっと、秘めた願望。
けど願望はいずれ爆発する。
私は爆発した。
ゴミを刺して何が悪い。
バカみたいに大声を出す、私の斜め前の金髪の男の脇腹を刺す。
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