ひょっとして…から始まる恋は
「友達って男性?」


三波さん言葉にビクッと背中が伸びそう。


「いいえ!女性です!」


思わず声のトーンを上げてしまったから(マズい、嘘がバレる…)と焦ったが。


「ちぇっ、女か」


松下さんはそれを信じてくれたらしい。

良かった…と胸を撫で下ろしていると、三波さんは、ふうん…と低い声を漏らし、女性ね…と呟いていた。


その声を聞きながら、三波さんには私の心境の変化がバレているのかもしれないと思った。

久保田君のことをただの同級生というよりかは、親しい男性みたいな感じに思えることも多くなっていたから。


だからと言って、まだ「好き」と言える程の感情の高まりはない。
会話して楽しいとか面白いとか、そういうくらいの関係。


こういうのを何と言うのだろうと思いながら昼食を終え、午後の仕事に入ろうとした時__



「柚季ちゃん、ちょっと」


午後の講義がない叔父が教授室においで…と呼びかけてきた。
私は仕事の用件かと思い、はい…と席を立ち上がった。


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