ひょっとして…から始まる恋は
「折角会えたのにそんなに早く追い返さないでくれよ」


靖が自分が来ることを内緒にしておいてくれたのに…とバラす。


「あいつなりにサプライズしたつもりなんだよ。急に俺に会えた方が印象に残るとでも思ったんだろ」


気ぃ使い過ぎ、と笑っている。
私はそれにまんまと嵌ったとは言えず、彼の顔を見てから俯いた。


「どうかした?保科さん」


冗談が過ぎたかなと心配する久保田君を見上げ、またしても心臓の音が速くなる。



「…ううん。何でもないの」


やっぱり変だと思いながらもそう答えた。
久保田君は小首を傾げてそう…と呟き、ところで…と声を発した。


「さっきの商品、教授が使ってみてくれると言ったんだ」


だから来週また来ると喜ぶ。
私は嬉しいけれど複雑になり、そう良かったね…とだけ答えた。



「それじゃまた」


今夜ラインで、と一言残して去って行く。

私はその背中を見送りながら頭の中がふわふわしてきて、何も考えれないでぼぅっとした。



「保科さん、仕事は!?」


機嫌の悪そうな松下さんの声に驚いてビクッとしながら現実に戻る。

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