ひょっとして…から始まる恋は
午前中いっぱい、松下さんは頬を赤く染めたままで黙々と仕事を進めていた。

それが初めて見るくらい表情が柔らかくて、余りにも意外過ぎて言葉にもできないから、つい見つめるだけになってしまう。

けれど、内心では私の昨日の悩みは何だったの…とも思いだし、大いに呆れてしまうところではあった……。




「あの……」


昼食休憩の時間になり、私は思いきって口を開いた。
出勤時に聞いた話を問い質したくて、ビクビクしながらも松下さんを見つめる。


「何よ」


松下さんは私が何を問おうとしているかが分かるみたいで、顔を赤らめながらも声を返した。


「あの…朝聞いた話なんですが…」


ちらっと三波さんに視線を走らせ、問い合わせてもいいかどうかを確認する。
私に視線を送られた三波さんは、ニコッと笑みを返してくれて、聞いてみなさい…という感じに頷いた。

それに力付けられた様な気分がしてぎゅっと掌を握る。
ここで躊躇ってしまうと先には進めない気がしてきて、スッと息を吸い込んだ。



「松下さんは…木下先生とお付き合いするんですか?」


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