花に美少年

「ごめんね、遅くなって」

「ううん。こっちこそ、休みなのに朝からごめんね」

待ち合わせたカフェに現れた真奈美が、コートを脱ぎながら私の座るテーブルに近づいてくる。

「今日夜勤でしょう?寝なくて良かったの?」

「うーん。寝たいけれど、そうもいかない」

「高校生?」

「そこ強調しないでよ。何飲む?」

「ブラックでいいよ」

椅子に座る真奈美の言葉に、店員を呼んで注文をする。

「それで昨晩はどうだったの?」

「どうって言うか・・・」

「ハンバーグ作ってあげたんでしょう?」

「まあ」

「それでそれで??」

「・・・」

「何?進展あり!?」

黙り込んだ私を、真奈美が興奮したように身を乗り出て見る。その期待に満ちた眼差しに顔を背けたくなる。

「進展とかないから」

「じゃあ、何よ?告白でもされた?」

「それは・・・」

「え?あたり?」

真奈美の言葉に、体温がゆっくりと上がる。
< 99 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop