消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。



「まあ何にしろ実際のとこ会わなきゃ何も解決しねえし、ぶっちゃけこれ以上の進展はねえな」


「で、ですよねぇー…」


思っていたことを真に突かれて、ちょっとばかりグサッとくる。


まるで、「それすらできないんだろ」と言われているようだ。



それなら、やっぱりこっちから連絡するしかないわけで。


じゃあ何て言って誘おうかってことなんだけども…。


うーん、と頭をひねる僕の前に、一枚のポスターが差し出される。



「……花火大会…?」


日付はちょうど一週間後。


このタイミングで見せられたということは……



「行こう、祭り」


ポスターを持ち出してきた聖司が短く言う。


「お、いいなそれ。騒いで遊べて楽しそうだし。ついでにお前の想い人ってやつも見られて一石二鳥ってやつだな」


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