消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。



肯定はされず、否定もしてもらえなかった。



僕は、返事すらもらうことが出来なかったのだ。




あの時、あの瞬間で。


嘘でも「友達として」だと言ったことは幸いした。


そうでなければ、きっと……



もう二度と、顔を合わせることは出来なくなっていた。


そう、彼女を見て悟ってしまったのだ。



それを思えば、少しくらい安堵してもいいはずなのに。


……どうして。


ちっとも嬉しくない。


むしろ、胸が張り裂けそうなほど苦しくて。



ただ目で追うことしかできなかった毎日よりも、ずっと辛いことだった。


だって、これは。


この関係は……



絶対に、この先も進展することはないと、そう暗示されてしまったからだ。


根拠はない。


けど、なぜだか確信を持ってしまったのだ。




< 33 / 139 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop