消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。



「静かな方がいいなって思ったんだ」


僕の言葉に、彼女は首を傾げる。


なんて反応をすればいいのか、迷っている感じだ。


「君と、話がしたくて」


「…私と?」



なおも不思議そうな顔をする畑中さんを、ベンチに座らせて一旦離れる。


自販機で二人分の飲み物を買って戻った。



「どっちがいい?」


「…紅茶で、お願いします」


「ん、どうぞ」


ミルクたっぷりの紅茶を手渡して、彼女の隣に間を空けて座ると、コーヒーを一口飲む。


「あ、ありがとうね」


思い出したように言う彼女に、にこりと笑みながら「どういたしまして」と返す。



どことなしか、緊張しているように見える。


何かを予感しているのか、調子でも悪いのか。


お互いにしばらく無言で飲み物を啜る。


< 54 / 139 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop