消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。
これは、そんな優しいレベルじゃない気がする。
単に僕を貶めたいだけなんじゃないか。
そう思うくらいには慈悲の欠片も感じられない。
逃げるように、教室の自分の机に突っ伏していた頭の向きを変えて、もう一方にいる人物にちらりと目を向ける。
「ふ、へタレ」
「う……っ!」
即、後悔した。
素で笑われた挙句、一番気にしているところをグサリと突いてくるときた。
後ろ盾もなくて、堂々としているわけでもなし。
ただでさえ大きく出られない性分なのに、今の僕には逃げ場がない。
諦めて耳を塞ぐか……。
「あーあー、んな落ち込むなよ。これでも励ましてんだぜ?」
「……せめて声のボリュームを下げる努力をしてくれ」
「あ、それは無理。俺の地声は制限が効かん」