初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「はは、今見てもやっぱりわかんないや」
その文字を左手でそっと撫でてそのページを閉じた。
棚に戻し終えた時、かけていた音も止んでいた。
この頃の想いは、ここに置いてきたはずで。
いくら想い出をたどってみても、それは想い出でしかない。
組み立てた楽器を丁寧に終い、それも片付けるとそこにLINEの通知が鳴る。
TAKESHI
【迎えに行けなくてごめん、もう着いてる?】
先輩、また謝ってるし。
NORI
【さっき着いて、楽器の手入れしてました】
TAKESHI
【今、電話平気?】
NORI
【大丈夫です】
そしてすぐに着信音がなり出す。
『クルミ?』
すぐに聞こえてきた先輩の声にほっとする。
メールはやり取りしたけど、電話で話をするのは久しぶり。
「はい、」
『今夜、少し時間もらえる?』
「もちろんです」
そのために帰って来たんだから。だけどお互い実家だからゆっくりというわけにはいかないだろう。
『クルミん家、迎えに行っても迷惑じゃない?』
「私、近くまで行きますよ?」
『あー、車あるから良ければそっち行く』
「場所わかりますか?」
説明するとすぐにわかってさすがに地元民だと思う。夕飯後の約束をして電話を切った