初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
家に帰った私を迎えたのは、妹と母の質問攻め。

どこの誰なのか。
どうやって知り合ったのか。

妹に至っては「どんな手使って年下の彼捕まえたの?」って。だから、年上だってばと叫んだのは言うまでもない。

「おねーちゃんより絶対若く見えた」

「うん、そうだね」

そんな事言われるのはわかってた。先輩はデニムにダウンを羽織ってて今日も休日バージョンだったから。

「でも、しっかりされてたわよ?」

「そりゃ年上だからね」

当たり前でしょ、社会人だし初対面の心得ぐらいあるだろう。

「今度いつ来るの?」

「え、」

いつって言ってもそんな話はしなかったし。

「改めてって言ってたから、お茶ぐらいいいんじゃない?」

「あー……そう、聞いておくけど。2日に帰るからね」

一応は聞いてみる。けど、めんどくさい。
だってこの二人何を質問するかわかんないから。

「今年は早いのね、」

「…まぁね」

「じゃあその日にちょっとだけでも、ね?」

有無を言わさない言い方で。やっぱりお母さんの地を引き継いでるのは明らかに妹だ。そして私はお父さんのように押しに弱い。
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