初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
背中に伝わる先輩の鼓動の音。
―――トクントクン。
少しだけ早いような気がして。
でもそんな先輩が愛しく思える。
お腹の所でクロスされてる手の上へ手袋をしたままの手を乗せる。
一瞬ピクリとしてから、耳元にわずかに先輩の吐息が聞こえた。
「バーちゃんにクルミを会わせたかったな」
お婆さん亡くなっちゃってしまって本当は私が抱きしめてあげなくちゃいけないぐらいなのに。
「……そうですね、私も会いたかったです」
素直にそう思えた。だって先輩がこんなにも慕っているのだから素敵なお婆様だったに違いない。
「ほんとクルミって毎回色んな意味で煽るよな」
「へ?」
振り返ってみようとするとそれを阻止するべく強く抱きしめられる。
「あーあ、バーちゃんもな、タイミング悪いよな」
「え……」
「今頃はクルミとイチャイチャしてたはずなのにな」
「……なんですか、そのイチャイチャって」
そんな風に言ったのは照れ隠しなのかもしれない。
だけど、私もそんな風に思ってたのは一緒。
「初七日終わったら東京帰るけど、クルミは?」
「えと、それって2日ですか?」
「うん、そう」
「先輩と一緒に帰ります」
そう言ってのせていた手に力を込めた。
先輩と一緒に居たいから。
傍に居させて欲しい
―――トクントクン。
少しだけ早いような気がして。
でもそんな先輩が愛しく思える。
お腹の所でクロスされてる手の上へ手袋をしたままの手を乗せる。
一瞬ピクリとしてから、耳元にわずかに先輩の吐息が聞こえた。
「バーちゃんにクルミを会わせたかったな」
お婆さん亡くなっちゃってしまって本当は私が抱きしめてあげなくちゃいけないぐらいなのに。
「……そうですね、私も会いたかったです」
素直にそう思えた。だって先輩がこんなにも慕っているのだから素敵なお婆様だったに違いない。
「ほんとクルミって毎回色んな意味で煽るよな」
「へ?」
振り返ってみようとするとそれを阻止するべく強く抱きしめられる。
「あーあ、バーちゃんもな、タイミング悪いよな」
「え……」
「今頃はクルミとイチャイチャしてたはずなのにな」
「……なんですか、そのイチャイチャって」
そんな風に言ったのは照れ隠しなのかもしれない。
だけど、私もそんな風に思ってたのは一緒。
「初七日終わったら東京帰るけど、クルミは?」
「えと、それって2日ですか?」
「うん、そう」
「先輩と一緒に帰ります」
そう言ってのせていた手に力を込めた。
先輩と一緒に居たいから。
傍に居させて欲しい