初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「あんまり家に興味ないから」
「そう、なんですか?」
「うん……家は寝に帰るだけっていうか」
周りを見渡して言う先輩。確かにその通りなのかも。だからきっと散らかってもいない、まぁ荷物がないから散らかりようがないのかもしれないけど。
「さてと、何か飲む?」
「先輩は何飲むんですか?」
「そうだなー、とりあえずビールかな?」
「ふふ、とりあえずじゃあ私もおつきあいします」
先輩は冷蔵庫からビールを取り出すとグラスをもって戻って来た。
「クルミ、苦いビールは嫌い?」
「んーそうですねー。」
ビールは得意じゃない。だけど先輩が好きだからお付き合い程度には飲む。
もう一度キッチンに戻った先輩はなにか冷蔵庫から取り出してる。そしてさっきとは違う縦長のグラスも持って戻って来た。
「ビールとジンジャエール?」
「そ、これでクルミもきっとおいしく飲めるはず」
ビールよりも少しだけ薄い色の液体をそそぐ。見た目はそんなに変わらない。
「はい、飲んでみて?」
「あ、いただきます」
一口飲む。ビールの香りだけじゃなくてジンジャーも仄かに香る。
「あ、なにこれ。おいしい」
「だろ?」
私がビール得意じゃない事、先輩は気付いてた。だからきっとこれを用意してくれてたんだって思ったら。