初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
後ろからふわりと香る先輩の匂い。肩に置かれていた手がそのまま降りて二の腕のあたりを掴む。

「ごめ、電気つける」

先輩はそう言って後ろから手を伸ばし、玄関のスイッチをつけた。

パッと明るくなると私はクルリと振り返ると、思ったよりも先輩との距離が近かったから慌てて、

「あの、良かったんですか?」

「ん、そのうちまた会うよ。俺はあんまり会わせたくないけど」

例の彼女と言った彼。きっと私の事を知っている風だったからやっぱり仲がいいのかな?でも会わせたくないって。言う意味がわかんないけど。

暗かったから顔は良く見えなかったけど、背が高くて結構ガッチリした感じの人だった。
先輩が言うように、そのうちまた会う日がくるんだろうか。

「とりあえず、あがって」

「おじゃまします」

靴を脱いで部屋に上がる先輩の後からついていった。


     *****


リビングと寝室とキッチン。一人で住むには十分な間取り。なんだけど、それにしてもあまりにも物がない。

テレビ、テーブル、ソファ。必要最低限というか、これで大丈夫なんだろうかと不安になる。

「シンプルなお部屋ですね」

今まで付き合ってきた人たちの部屋はそこそこ散らかってて文句を言って片付けをしたこともあった。だからこの部屋はなんか言葉が悪いけど……殺風景だ
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