初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
二人の間にあるのは沈黙と時間の溝。
私は今を生きているのに、先輩は半年前を漂ったまま。
こうさせてしまったのは私にも原因がある。あの時に先輩を追いかけて、きちんと話していればこんな風になる事もなかった。縋るなりなんなりと方法はあったはず。そう思うと、この手を振り払う事が出来なくて。
グッと強く繋がれたその時、
「何、してんだよっ」
ピリリとした空気と共に現れたその声。
先輩に閉じ込められた手を少し乱暴に外して私の手を膝の上に戻した。
そしてもう一度、
「話、するんじゃなかったのかよっ」
立ったまま先輩を鋭い視線で見ている相良さん。
それに動じることなく「もう、帰ってきたんだ?」あいかわらずの感じで答える先輩。
先輩も相良さんに対しての態度を崩さない。
さっき頭を冷やすって出て行った相良さんだけど、また同じような状況になってる。
私と先輩の事だというのに、またバトルは勃発。
どうしたらいいかと考えあぐねていると
「すみませーん、ここビール四つね」
女性スタッフにウインク一つでオーダーをしたその人は、
「大和さんっ」
「……大和」
どうやら相良さんは頭を冷やしに行っただけでなかったらしい。
私は今を生きているのに、先輩は半年前を漂ったまま。
こうさせてしまったのは私にも原因がある。あの時に先輩を追いかけて、きちんと話していればこんな風になる事もなかった。縋るなりなんなりと方法はあったはず。そう思うと、この手を振り払う事が出来なくて。
グッと強く繋がれたその時、
「何、してんだよっ」
ピリリとした空気と共に現れたその声。
先輩に閉じ込められた手を少し乱暴に外して私の手を膝の上に戻した。
そしてもう一度、
「話、するんじゃなかったのかよっ」
立ったまま先輩を鋭い視線で見ている相良さん。
それに動じることなく「もう、帰ってきたんだ?」あいかわらずの感じで答える先輩。
先輩も相良さんに対しての態度を崩さない。
さっき頭を冷やすって出て行った相良さんだけど、また同じような状況になってる。
私と先輩の事だというのに、またバトルは勃発。
どうしたらいいかと考えあぐねていると
「すみませーん、ここビール四つね」
女性スタッフにウインク一つでオーダーをしたその人は、
「大和さんっ」
「……大和」
どうやら相良さんは頭を冷やしに行っただけでなかったらしい。