初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
相良さんの実家は平屋の立派なお家だった。この辺ではこれが普通なんて言ってたけど、きっと違うと思う。
ちょっと緊張気味の私とは違い、自分の実家の相良さんは普通に家に入っていった。さっきお父様にはご挨拶したし、お母様にも会うのは初めてじゃない。だけど彼の実家訪問って人生初なんですけ
ど。

そんな緊張する私をよそに、のんびりした様子で凛子おばさんが「今日はどのカップでお茶いただこうかしら?」なんて言ってる。どのカップって?お酒用のグラスだけでなくまさかカップも……?

「最近は買ってないから増えてないわよ?」

最近はってことはグラスの前はカップだったのかもしれない。
食器棚、いやもうこれは立派なショーケースを覗きながらカップを選んでいる凛子おばさん。たしかに納得の品ぞろえ。見てるだけでも楽しい気分になる。

「な?言ったろ?」

小さな声で言う相良さんは呆れた様子だけど。ここまでくればもう立派なコレクションだ。

「私も!カップ選んでもいいですか?」

そのひと言で女三人カップ談義に花が咲いたのは言うまでもない。

そのままキッチンでお茶を入れ、何故か相良さん用には私がコーヒーを淹れることになった。あ、なんだかいつのまにかお二人の中に入れてもらってた。こういうさり気ない所、きっと相良さんはお母様似なのかもしれない
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