初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
家の近くの桜並木は提灯も飾られて、あとは桜が咲くのを待つばかり。
場所によってはつぼみがピンクに色付きはじめて、もうすぐ咲きだしそうだ。

「明日、お花見行く?」

「おぉ、いいねぇ。行くなら夜桜がいいかな」

「出会ったのも夜だったし?」

「そ。」

小さな偶然から生まれた恋。
けれど、それをここまで持ってきてくれたのはきっと相良さんのおかげ。

「ね、じゃああの公園がいい」

「会社の花見もそこじゃないの?」

「んーたぶんそうだけど」

だけど、相良さんと一緒に桜を見たい。今年は手を繋いで。
それにあの公園には想い出がある。だからまた今年もそれを重ねていきたい。

「あ、そうだ忘れてた」

「ん?」

「桃から連絡があって報告会まだですかって言われたんだ」

報告会?ってまさか結婚の?

「凛子おばさん、その日のうちに桃に連絡したらしくて。マジで全部筒抜け」

迷惑って顔じゃない。むしろ照れてる。のかな?

「相良さんの都合で決めていいけど」

「って、言ってくれるかなと思って急だけど明日」

もともと週末は一緒に過ごす予定をしていたから問題はない。

「うん、大丈夫」

「あの二人とは一応親戚になる予定だからな。」

桃華ちゃんはお嫁に行くけれど、縁が切れるわけじゃない。
近くに住んでいるんだし、今後の付き合いも少なくないだろう。

「明日、会えるの楽しみ」

……なのかな?私
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