眠り姫は夜を彷徨う
その頃、校庭では三年C組、D組の男子が体育の授業でサッカーの練習中であった。
クラスごとにパスやシュート練習等をした後、前後半で二班に別れ、クラス対抗試合をする予定である。
C組に属する桐生も友人たちとゴール前でシュート練習をしていた。
一人の生徒がゴールを狙って鋭いシュートを放つ。…が。
「あっ!馬鹿っ!どこ狙ってんだっ!?」
狙いが思いきり外れてあらぬ方向へとボールは勢いよく飛んで行き、横についていた桐生は慌ててそれを追った。
「桐生、わりーーっ!!」
ボールを蹴った本人は頭を抱えて申し訳なさそうに声を上げる。
それに手を上げて応えながらダッシュでボールを追い掛けるが、飛んでいく先の渡り廊下に人影を見付けて桐生は思わず目を見開いた。
「…っ!」
一階の渡り廊下は屋根はあるものの、横に壁はない。下はコンクリートで舗装され地面より少し高く作られているので雨水に浸かったり上履きが汚れることはないのだが、横には幾つか柱があるだけなので雨が強く吹き込んだりすると濡れてしまう、そんな不便な造りになっていた。
渡り廊下部分が校舎裏へと続く通路としても利用されており、非常口にもなっている為、構造上仕方がないのだろうが。
その廊下を歩く人影は一人の女子生徒だった。
こちらには背を向けて歩いていて、後方から向かってくるボールには気付いていないようだ。
「避けろっ!」
桐生が声を上げるのと、女子生徒の後頭部にボールが当たるのはほぼ同時だった。
クラスごとにパスやシュート練習等をした後、前後半で二班に別れ、クラス対抗試合をする予定である。
C組に属する桐生も友人たちとゴール前でシュート練習をしていた。
一人の生徒がゴールを狙って鋭いシュートを放つ。…が。
「あっ!馬鹿っ!どこ狙ってんだっ!?」
狙いが思いきり外れてあらぬ方向へとボールは勢いよく飛んで行き、横についていた桐生は慌ててそれを追った。
「桐生、わりーーっ!!」
ボールを蹴った本人は頭を抱えて申し訳なさそうに声を上げる。
それに手を上げて応えながらダッシュでボールを追い掛けるが、飛んでいく先の渡り廊下に人影を見付けて桐生は思わず目を見開いた。
「…っ!」
一階の渡り廊下は屋根はあるものの、横に壁はない。下はコンクリートで舗装され地面より少し高く作られているので雨水に浸かったり上履きが汚れることはないのだが、横には幾つか柱があるだけなので雨が強く吹き込んだりすると濡れてしまう、そんな不便な造りになっていた。
渡り廊下部分が校舎裏へと続く通路としても利用されており、非常口にもなっている為、構造上仕方がないのだろうが。
その廊下を歩く人影は一人の女子生徒だった。
こちらには背を向けて歩いていて、後方から向かってくるボールには気付いていないようだ。
「避けろっ!」
桐生が声を上げるのと、女子生徒の後頭部にボールが当たるのはほぼ同時だった。