眠り姫は夜を彷徨う
そして…。
その日の三時限目の授業中。
紅葉は独り教室を後にすると、フラフラとした覚束ない足取りで廊下を歩いていた。
朝から続いていた倦怠感にプラスして次第に頭痛を伴うようになり、授業中痛みに苦しんでいるところを教師に気付かれ、保健室へ行くよう勧められたのだ。
保健委員の生徒を付き添わせるかと心配されたが、紅葉は一人で行けると丁寧に断りを入れた。
自分の為に他の生徒の授業を邪魔してしまうのは、あまりにも心苦しかったから。だが…。
「痛…っ…」
階段の手前に差し掛かった所で、横の壁へとふらり手をついた。
少しだけ後悔していた。
(保健室が遠い…。頭が、ガンガンする…)
脈打つような強い痛みに思わず気が遠くなりそうだった。
それでも何とか意識を保って耐えると、手すりへと手をつきながらゆっくり階段を下って行った。
紅葉のクラスの教室は四階の端に位置しており、保健室へ向かうには一階まで階段を下りて校庭に面した渡り廊下を行かなくてはならない。簡単に言ってしまえば、かなり遠いのである。
それでも何とか一階まで階段を降りきると、渡り廊下のある方へとゆっくり足を向けた。
今日は天気が良いからか一階の廊下の窓は殆どが開け放っていて、春の爽やかな風とともに体育の授業が盛り上がっているのか賑やかな掛け声なんかも聞こえて来る。
(こんなに良い天気なのに体調悪いなんて…最悪だな…)
窓から差し込む眩しい日差しに、紅葉はうっすらと目を細めた。
その日の三時限目の授業中。
紅葉は独り教室を後にすると、フラフラとした覚束ない足取りで廊下を歩いていた。
朝から続いていた倦怠感にプラスして次第に頭痛を伴うようになり、授業中痛みに苦しんでいるところを教師に気付かれ、保健室へ行くよう勧められたのだ。
保健委員の生徒を付き添わせるかと心配されたが、紅葉は一人で行けると丁寧に断りを入れた。
自分の為に他の生徒の授業を邪魔してしまうのは、あまりにも心苦しかったから。だが…。
「痛…っ…」
階段の手前に差し掛かった所で、横の壁へとふらり手をついた。
少しだけ後悔していた。
(保健室が遠い…。頭が、ガンガンする…)
脈打つような強い痛みに思わず気が遠くなりそうだった。
それでも何とか意識を保って耐えると、手すりへと手をつきながらゆっくり階段を下って行った。
紅葉のクラスの教室は四階の端に位置しており、保健室へ向かうには一階まで階段を下りて校庭に面した渡り廊下を行かなくてはならない。簡単に言ってしまえば、かなり遠いのである。
それでも何とか一階まで階段を降りきると、渡り廊下のある方へとゆっくり足を向けた。
今日は天気が良いからか一階の廊下の窓は殆どが開け放っていて、春の爽やかな風とともに体育の授業が盛り上がっているのか賑やかな掛け声なんかも聞こえて来る。
(こんなに良い天気なのに体調悪いなんて…最悪だな…)
窓から差し込む眩しい日差しに、紅葉はうっすらと目を細めた。