一つだけ願いが叶うなら

Memory~spring~

今日は彼との1年記念日。彼は忘れっぽいから、多分覚えてないだろうなーと思ってたらなめてた(笑)
帰り道に彼になんとなく話を切り出してみたら彼はちゃんと覚えてたらしい。
「もー覚えてるに決まってるじゃん!」
「ごめんごめん××のことだからつい」
「こんな大事な日を忘れたらもう論外だよ」
論外か・・・ふふ。今日の彼はなんかかわいい。
今日は特別な日なので、実は私サプライズを用意してるんだよね〜どんな反応するんだろう。
「ねぇ、××」
「どした〜?」
「私ね、手紙書いてきたの」
「え・・・??」
彼はとても驚いた顔をしていた。しばらく目を丸くしたあと、優しい笑顔を向けて、
「ありがとう」
と照れくさそうに言った。
「家に帰ってから見てよね」
「わかったって〜」
なんかすごくニヤニヤしてるから気持ち悪い(笑)
とか言いつつ私もニヤニヤした顔してるんだろうな〜
「遥」
「なに〜?・・・うわっ」
突然彼にぎゅっと抱きしめられた。
実は1年も付き合ってるけどこんなこと初めてだったんだ。
「遥、大好き」
「私も」
そう言って私も彼のことを抱きしめた。
今の私、世界中の誰よりも幸せかもしれない・・・って私ほんとに馬鹿だな。
まぁいいや、今日ぐらい。
結局私たちはちびっこに笑われるまで抱きしめあっていた。
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