この暴君、恋すると手に負えません
「な、何がそんなに可笑しいんですか!?」
私はタオルケットで顔を半分隠して警戒しながらぼやく。
「この俺にここまで靡かねぇ女もお前が初めてだったからな?」
「私には貴方の色仕掛けも甘い誘惑も何も効きませんのでご安心ください」
私はつい意地を張って嘘とついてしまった。
本当は何度もこの暴君に魅了されているのに、それを認めて口にすることが許せなかった。
「素直じゃなぇな。まぁ、そんな気が強いとこ嫌いじゃない」
「そうですか。ちなみに言うと私はあなたが嫌いです」
「まぁ、そのうち帝さんが大好きですって言わせてやるからな?」
「……黙れ、暴君め」
私は無意識に心の声を洩らしてしまった。すると暴君は眉を顰めて首を傾げた。
「……何か言ったか?虹美」
「いいえ別に」
私はツンとした態度で答えると、暴君はまた可笑しそうに喉を鳴らして笑う。