この暴君、恋すると手に負えません
しかしそこにはXと思われる人物の姿は見えない。
そう、其処には誰もいなかったのだ。
きっとXは何処かに身を隠しているに違いない。私は恐る恐る屋上へと足を踏み入れた。
「......どこにいるんだろ?」
するとその時、私の頭上からくすくすと小さな笑い声が聞こえた。
「......ふふ、ここにいるよ?」
ーーその声は。
私は慌てて振り返り上を見上げると、その声の主は緊張感のない緩んだ笑顔で私を見下ろしていた。