この暴君、恋すると手に負えません


「それなら問題ない」
「え?」

ーーその時だった。

『帝くん爆破は阻止できたよ。対液体窒素じゃなくてよかった』

暴君の耳元のインカムから、光希さんの声が聞こえた。暴君は満足げな笑みを浮かべて、安堵の息を洩らす。

「よくやったな、光希。感謝する」
「ってことは、もう無事なんですね」
「あぁ、もう何も心配しなくていい」

私はその言葉にほっとした。張り詰めていた空気が徐々に和らいでいくと、安心して体の力が抜けていった。

そして気づいたら視界が真っ白になっていた。

「......虹美!?おい、虹美!?」

暴君が必死な顔で私の名前を呼んでいたが、その声が遠くから聞こえる気がした。私はぼんやり見える暴君の顔を最後にそのまま気を失ってしまったのだーー......。


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