この暴君、恋すると手に負えません
「虹美、ここに桐生が来なかったか?」
――そう、訪れたのはまさかの帝さんだったのだ。
私は指輪を隠すように両腕を背中に回した。
「桐生さん?いえ、来てませんけど」
「そうか、さっきから探してるんだが見当たらなくてな」
「携帯繋がらないんですか?」
「あいつ、電源切ってやがるんだよ。……ったく、どこに行ったんだ」
帝さんは小さく息を吐き出すとそのまま桐生さんを探し続けていた。
私はそんな帝さんを見送り、扉を閉めるとソファーに隠れた美女に歩み寄る。
「あ、あの帝さん行きましたよ?」
「……あぁ、急に悪かったな」
そしてソファーの影から美女が顔をひょっこり出した。
私は改めてその美女の顔を見つめると驚くべきものを目にするのだった。