この暴君、恋すると手に負えません



「ひとつの理由は……私が戸籍上、男性であるからです」



――え?玲奈さんが……男性?



予想もしない言葉に誰もがまた言葉を失った。
しかし記者たちはまた食らいつくかのように質問を投げかける。


「それは性別を偽って婚約をしていたという事ですか!?」
「言葉は悪いですがそれは結婚詐欺ではないのですか!?」
「どうなんですか神楽坂さん!?答えてくださいよ!!」


耳が痛くなるような言葉が会場中に響き渡る。
そして最前列にいる男性記者が意味深に口角を吊り上げて立ち上がった。


「……やっぱり噂は本当だったんですね。私、ずっとおかしいなって感じていたんです。あなたが生まれた日、”神楽坂玲奈”という名前の人物は神楽坂家には存在しなかった。そこで違和感を感じた私は誠に勝手は思いますが、あなたの過去を知る人物らに色々お伺いしてきました」
「……あなたがここで発表しなくていいです。私がここで全てを語ります。黙って最後まで聞いていてくださいませんか?」


玲奈さんは男性記者の挑発的な言動に力強い口調で告げると、その男性記者はくすくす笑いながら大人しく椅子に腰を落とした。






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