この暴君、恋すると手に負えません


「皆様、全てをご説明致します。話しの腰を折る方がいらっしゃった場合、次はこの会場から退出して頂きますのでよろしくお願い致します」


その強気な口調に他の記者たちも圧倒され、徐々に皆カメラでの撮影を控えるようになっていった。
絡んできた男性記者も腕組しながら、ふんっと不服そうに鼻息を洩らしていた。


「私は幼い頃から自分の生まれ持った性に違和感を感じながら生きてきました。中学生にもなると、女の子は胸が膨らんだり女性らしい丸みを帯びた体に変わっていくのに、自分は声変わりしたり、まるで男の子のような変化が見られた時に、自認しました。

ですが私は神楽坂家の跡取りとして、男として生きていかねばいけないと分かっていて、友達にも家族にもその事実を告げずに隠し通してきました。しかし十八歳の時、毎日鏡を見るたびに吐き気がしてこんな体で生きていくのはもう嫌だと限界がきました。そして家族に全てを打ち明けました。

家族が受け入れるまでには勿論時間はかかりましたけど、話すことで吹っ切れて、”女”になるための行動を移すことを決心したのです」




玲奈さんのそんな過去があった事を未だに信じられない。
だって今の玲奈さんは誰もが羨む抜群のスタイルを持つ美女にしか見えないからだ。




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