七色セツナ。1



お袋が、
休みもままならず働いて、
3人の子供を養って
小遣いまでくれてるけど、
さすがに
毎週遊びに行くほどの金はない。


ダチとの付き合いもあるし、
なにより
弟たちの面倒も見なくちゃならねェ。


二人は
まだ小学生なんだ。


毎週は無理だと言うと、


「私の事が好きじゃないの?」

と言ってきた。


正直、
それに応える気持ちが
ない事にも気付いていたが
家の事もしなくちゃならねェ、
と答えると
毎日電話して、
メールしてと言ってきた。


最初は
電話にもメールにも応えていたが
すぐに
その行為は、義務にしか感じなくなった。


どこのケーキが美味しいとか
アイドルの誰がかっこいいとか
正直、俺には
どーでもいい話だった。




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