七色セツナ。1



電話が終わるまで、
弟たちには
風呂に入れるのを待たせている。


お袋との約束だ。


俺が高校に入る時、
すぐ下の弟、シンタロウが中学に入る。


そしたら今度は
シンタロウが
その下の弟、ケンタロウの面倒を見る。


今まで通り、
食費や生活費、学費は面倒見るが、
他に欲しい物もできるだろうから、
それはバイトで稼げと。


それまでは、頼むよ、と。



彼女と俺は、根本的に違う。


もう俺は、意味のない、
この恋人ごっこに
付き合う気はなかった。


彼女に別れを告げた。


彼女は嫌だと泣いていたが、
俺にはもう、重荷しかなかった。


結局俺は、
女と付き合う意味を
知る事が出来なかった。



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