七色セツナ。1



ーーーな、んで……ーー


ああーーー


もう……


ーーダメーー


花凛ちゃんを、思い切り抱きしめる。


可哀想とか、
そんな同情の欠片ひとつない、
感謝の言葉ー。


情けない顔を
見られたくなくて、
花凛ちゃんの肩に顔を埋める。


いつもは
こんな事したら、
「ふざけないの!」って怒るのに
なんで今日は、頭を撫でてるの?


どうしてーー


俺に温もりをくれるの?


「ねえ、恭弥……」


「ん……」


離れたくない。


離れてって言わないでーー


「寂しい?」


花凛ちゃんが、
頭を撫でながら聞いてきた。


「・・・正直……

寂しいと感じた事はない。

・・・けど
嬉しいという感情が
ある事を覚えたーー……」



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