七色セツナ。1



3人が座るソファに対面し、
優雅に腰を下ろした宏晃は
そのダージリンを
ひと口飲むと
それぞれの顔を、ゆっくり見渡す。


「僕はね、自分の気に入ったものしか、
そばに置きたくないんだ。

かなり、時間と手間をかけて厳選する。

この紅茶もそうだよ。

時間と手間と、金もかけて、
これに行き着いた。

だから……

自分が選んだもの。

それを奪われる事が、何よりの屈辱だ。」


先ほどの
キラキラした笑顔とは違い、
”男”の顔を見せる。


「ユカちんだね?会長」


恭弥が
宏晃をジッと見る。



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