七色セツナ。1




「花凛ちゃん。

俺も今日はバイトだけど、
寂しくなったら電話してね?

もちろん、俺は寂しいよ?」


「あはは、ありがと。

恭弥もバイト頑張ってね?」


「ねぇ。

バイトで
がんばって稼ぐから、
その金で俺とーー」


ゲシッ!

という鈍い音。


「イッテ!

また朱羽かよ!

最後まで言わせろってんだよ!」


また足を蹴られた。


「花凛、
ちゃんと虎太朗に送ってもらえよ?

何かあったら連絡しろよ?」


「うん、分かった。

朱羽は教習順調なの?」


「ああ、大丈夫だ。

間に合いそうだし……」


「間に合いそう?」


「・・・覚えてるか?

誕生日の……」


「あ!プレゼント?」


「なんかくれるって言ったよな?」


「うん、もちろんだよ」


「覚えてればいい」


「決まったの?何にするか」


「決まってる...その時、な」


「? 

うん、分かった」



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