七色セツナ。1

side リョウ




side リョウ



久しぶりだ。


朱羽の、このオーラ。


黒を通り越して、
赤い...いや、朱いオーラ。


朱羽とは
小学生からの付き合いだが
正直、恐ろしい男だ。


背が高いのもあって、
威圧感はあるし
その低い声で凄まれると、
大抵の奴は戦意を喪失する。


中学に上がった時、
卒業していった兄貴の
恵衣さんの影響もあって、
先輩たちでさえ、
誰も朱羽には近寄らなかった。


俺たちがいた中学は、
3年が頭になるのが通例だったが
朱羽は3年間、ホントの頭だった。


でも、朱羽は
その立場を嫌ってた。


だから朱羽は、
3年になると俺を頭にした。


誰も
文句を言う奴なんていないのに。



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