エンドレスブルー
終電を逃すとお決まりみたいにそのベットに隣り合って寝た。


1回目のセックスは何だかなれない感じが笑えた。



恋人ではないセックスが心地よかったせいもある。


一緒に居れない時は、飛ばした電波で意味も無いのに友達みたいにしながら、別に友達なんかになりたいわけでもお互いに無かったように思うのに、わたしはいつも抱きしめられていた感じがそういう時さえあった。


その1回目のセックスは途中で本当に笑い出して、もう帰るって時にようやく思い出したかのように、抱き合った。


意味もないのに、何だかそういう事が大切な気がしていたのだ。


たしかその頃、この部屋が青白くなる、という事を知った気がする。


「起こした?」


ベットに津田は戻ってきて2回目そう言った時、わたしはまだぼんやりして目を伏せながら多分ううんと答えた。


もしかしたら今日は月かも、月の綺麗な明かりだったら良い、そう考えて見ていた先には、青白くなっている津田の本棚があった。


2回目も3回目もあった、でもこのベットの1回目には届くはずがない。


そういう事が悲しいわけではなかった。


この部屋を、津田も夢みたいだと思うのだろうか。この青白いのが不思議くらい綺麗だと。


でも。


お前ってさ時々変な事話すよな。と言ってくる気がする。


おかしいのだろうか、だって夢みたいにここは綺麗、雨の日でも悲しいみたいに張ったような青白さが変わらない。わたしは知っているのだ。だからいつも悲しくなってしまうのはそういう事だった。


それくらい、その部屋は津田が隣にいて、本棚があって夢みたいな事。


何だかその綺麗さだけで十分な気がする事。


わたしがぼんやりとそう思っていると、津田はそんな事をわたしが考えているなど思いもしないで、自分の肩にわたしを寄せ、体をいつものようにあてがった。



< 3 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop