お前は俺だけの女だからな



    「そういうことでしたか。わかりました。私にできる最大限のことをスノースケープのために尽くしたいと思います。」




     そう、決意を述べると、有栖川副社長は、とても満足そうにうなずいた。



    「では、さっそくで申し訳ないが、スノースケープの新たな広報活動の一環として




     キャッチコピーを考えてほしい。



    大々的に宣伝していきたいと思っているから、そのつもりでいてくれ。


 
   他にも、各地の店舗の売り上げ状況、流行のジュエリーの調査及び把握、斬新なデザインのジュエリーの新しいアイディア、ほかにも様々な業務の資料があるから、全部とは言わないから、ある程度は目を通してほしい。」



  

    「急に申し訳ないが、よろしく頼むよ。」



   有栖川副社長は、口でそうは言ってはいるものの、まったく目は笑ってはいないし、




   口元は、わずかではあったが、ほくそ笑んでいるようにもみえた。
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