【完】そして、それが恋だと知った日。
伊澄くんと違う……。
同じ男子なのに全然違う。
その違いに、どきっとした。
その後また無言で歩き続けて、映画館に辿り着く。
映画の券の列に女子。
ポップコーンの列に男子。
それぞれ分かれて並ぶことになった。
よ、よかった……。
あれ以上一緒にいられない。
気まずくて死にそうだった。
「すみれ、高橋と良い感じじゃん?」
「まあね、あと一押しって感じかも。」
「付き合ったら報告してよね。」
「もち。っていうか、今更だけど。
理香子彼氏平気だった?」
「ああ、言ってあるし平気。」
「彼氏さん優しいね。」
「まあ、高校生だし。」
「こ、高校生!?」
「うん。同級生のやつと遊ぶくらいで嫉妬したりしないし。」
高校生と付き合ってるなんて。
大人だ……。
急に理香子が違う世界の住人に見えてきた。
私の知らない世界だ……。