【完】そして、それが恋だと知った日。

公園っていったら伊澄くん思い出す。
安直だけど。
伊澄くんのこと考えてたからこっち来たのかな。
なんか私気持ち悪い!?


考えを消すように頭を振る。
落ち着くためにブランコに乗ろうと公園の中に入ると。
ブランコを漕いでいる伊澄くんがいた。


な、んで今日に限っているの!?
これじゃあ休みたくても休めないじゃん。


バレないように引き返さなきゃ……。
そう思って来た道を戻ろうとした時。
伊澄くんと目が合ってしまった。


……終わった。


「小笠原さん!」


気付いてないふりして出ていこうとも考えたけど。
あんな風に名前呼ばれちゃったら知らんぷりできないじゃん……。


今まで無視したツケが回ってきたんだね。
神様ほんといじわるだ。


「伊澄くん。」


しぶしぶ隣のブランコに腰を下ろす。
怒られるかな。
無視したし、そりゃあ怒るよね。
はあ、気まずい。


でも、今断らないと。
きっと言えない。
メールより、直接の方が良いよね。
なるべく傷つけないように。


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