クールな社長の溺甘プロポーズ



「ふふふ、米田見た?うちのブランドの数字!」

「お前こそうちのブランドの数字見たか?」



そう言って米田さんがペラっと見せてきた紙には、米田さんの部署のブランドの売上と、『予算比130.3%』の文字……。



「ま、お前のところも頑張ったんじゃないか?うちのブランドの次に、な」

「なっ!!」



米田さんはそれを言いたかっただけなのだろう、「ははは」と笑いながら部屋を出て行く。



「なんなのあの男!ムカつく!なにも人が喜んでる時に水を差すような言い方しなくてもいいじゃない!」



キーッとくやしそうに声を上げる柳原チーフに、私は「まぁまぁ」と必死になだめた。



米田さんのところもゴールデンウィーク商戦気合い入れていたもんね。

数字が全てではないけれど、頑張りは結果として数字にも現れる。みんなの努力がこうして目に見える形になるのは、やっぱりうれしい。



気分もいいし、今日のお昼はちょっと贅沢しちゃおう。

そう、ふふと笑って仕事に取り掛かった。



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