クールな社長の溺甘プロポーズ



それから数時間が経ち、お昼休憩の時間を迎えた私が浮かれた足取りで会社を出てやってきたのは、近くにあるカフェだった。

そこでボリュームのあるホットサンドに揚げたてのポテト、クリームたっぷりのアイスカフェラテを買った私は窓際のカウンター席に座った。



いつもなら高カロリーだからって我慢しちゃうけど、たまにならいいよね。

早速ストローでカフェラテを飲むと、甘いクリームの味が口の中に広がって、幸福感で満たしてくれる。



「はぁ……幸せ」



ここ最近もまた、バタバタしてばかりいたからなぁ。やっとひと息、といったところだ。



あの出張の最終日、仙台に一泊した私と大倉さん。

気づけば私もあのままソファで寝てしまい、朝方起きたらベッドに寝かしつけられていた。

一方の大倉さんはというと私が目を覚ました頃にはすでに起きており、身支度も終えていた。



その日の仕事は大丈夫なのか聞いたところ、今日は特に人に会う約束もないから大丈夫、秘書にも午後から出ると伝えてある、とのことで。

やはり準備のいい人だ。

それからふたり片道4時間かけて東京へと戻ってきた。



その後は大倉さんの海外出張が入り、私の埼玉の店舗へのヘルプが入り、とお互い立て続けに忙しく、以来ゆっくり会うことは出来ていないけれど……。



だけど、嬉しかったな。

彼がわざわざ仙台まで会いにきてくれたこと。

欲しい言葉を、くれたこと。



以前よりぐっと近づいた心の距離に、余計浮かれてしまいそうになる。



もぐ、とホットサンドをかじっていると、不意に隣の席の女性たちの会話が耳に入った。


< 129 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop