クールな社長の溺甘プロポーズ



「わっ」



驚いて画面を見れば、表示された【着信 大倉佑】の文字。



で、電話?

今さっきメッセージ送ったばかりなのに。やっぱり家はダメ、とか?

彼からの言葉を想像しながら通話ボタンを押した。



「も、もしもし」

『悪い。今大丈夫か』



会社の中からかけているのだろうか、彼はやや声を潜めて話す。



『返事したばかりで悪いんだが今さっき急な会議が入って、迎えに行くのが少し遅くなりそうなんだが』



珍しい。

いつもは私の定時には仕事を終えこちらに着いているような大倉さんが遅くなるということは、余程急ぎの仕事なのかそれとも断れない内容なのか。



これまでだったら、『じゃあ今日はなし!』と跳ね除けてしまっただろう。

けれど、今は違う。



「じゃあ、私が行く。……たまには、大倉さんのこと迎えに」


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