クールな社長の溺甘プロポーズ
「すみません、ありがとうございます」
「いいって」
そう米田さんはバッグを渡しながら少し近づいて、小声でささやく。
「……あと、彼氏に変に誤解されてたらごめん」
そっか、さっきのタイミング……。
もしかしたら変な意味に聞こえてしまったかもしれない。
軽く手を振りその場を後にする米田さんにお辞儀をして、私たちは近くに停めてあるという大倉さんの車へ向かう。
誤解させないようきちんと話しておかなくちゃ。
そう思い話を切り出そうとした私より先に、大倉さんが声を発した。
「……米田さん、と言ったか。面倒見の良さそうな人だな」
「え、えぇ!そうなの、すっごく面倒見のいい人で、だから私もなにかとお世話になっていて……」
「で?あのセリフはどういう意味だ?」
うっ。やっぱり聞かれていた。
答えたくない、とでもいうかのように、歩きながら顔を背ける私に、大倉さんは無言の圧力をかけてくる。
駐車場に着き車に乗ると、ふたりきりの狭い空間というせいか余計にその圧力が感じられ……走り出す車内で私は渋々口を開いた。
「……前に、告白されたの」
あぁ、言っちゃった。
恥ずかしいような、なんというか……どんな顔をしていいかわからず横目で隣を見れば、前を見つめたままの彼の横顔は冷ややかだ。