クールな社長の溺甘プロポーズ
私はずっと、アパレル業界で働くことが夢だった。
子供の頃の夢はショップの店員さん。
高校生の頃は服を買うためにバイトに励み、卒業後に進んだ専門学校では服やデザインなど服飾について学びながらアパレル店員として働いた。
そしていつしか夢は、服を売る方から作る方へと変わっていき、新卒でこの会社へ入社した。
一枚で気分を変えてくれる、服が好き。
自分が着ることはもちろん、それを人へ提案し着てもらうこと、そしてその人にも変化を感じてもらうこと。
そんな憧れの仕事に就けて、必死ながらも仕事をこなすうちにチーフ補佐という立場ももらえて、充実した毎日を送っている。
……けれど。そんな仕事ばかりの毎日は忙しく慌ただしい。
朝から晩まで働き、残業もある。
基本的には土日休みだけれど、店舗からのヘルプで休日出勤もあれば、休めても疲れから寝て終わってしまうことも度々ある。
時期によっては各地にある店舗を巡回するため出張もある。
そんな日々の合間に、恋人に割ける時間は少ない。ましてやお互い仕事をしていれば尚更だ。
忙しさを理由に会えなかったり、連絡がまちまちになってしまったり、デートの約束もドタキャンしてしまったり。
それらを繰り返してしまい、私は恋人が出来ても長く続かないのだ。