クールな社長の溺甘プロポーズ



それから、席に着きほどなくしてショーは始まった。

小さな顔に手足がすらりとしたモデルたちが、有名ブランドの新作を着こなしランウェイを歩く。



一見奇抜で強い個性の服たち。

けれど彼女たちが着て堂々と歩くことで、ひとつのアートのように表現されている。


眩しい照明、鼓膜を揺らす音楽、一気にステージへと集まる人々の視線。

そんな会場の熱気に、最初から最後まで胸はドキドキしっぱなしだった。





「あー、よかったー!!」



ショーを終え、建物を出たところで私は伸びをしながら声をあげた。



「見た?あのブランドの新作!斬新だけどすっごくおしゃれで、さらにあれを着こなすモデルがすごい!」

「あぁ。そうだな」

「今年の秋冬物、うちのブランドもあのテイスト入れればよかったかなー。あ、でも冬物なら今からでもまだ間に合うかな。企画会議で出してみようかな……」



興奮気味にひとりで喋る私に対し、一方で大倉さんは冷静なままだ。

って、そうだよね。ショーとかブランドとか興味ないしわからないよね。

ひとり浮かれてしまっていたかも、とふと我に返る。



「あ……ごめんなさい。私ひとり、浮かれてて。大倉さんにはつまらなかったよね」

「いや。わからないところもあるが、興味がないわけじゃない。それに、俺の一番の目的は楽しそうな星乃を見ることがだからな」



そう言って大倉さんは小さく笑う。

……またそうやって、上手いことを言ったりして。

心揺れたりしないんだから。そう思いながらも、余計浮かれそうだ。



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