私の彼氏は小さい先輩
「っ…?」




体に触れている感触は線路の硬さではなかった。

代わりに温かく柔らかい感触と、甘い香りが香を包んでいた。

「大丈夫か?!」

頭上から透き通った低めの声が聞こえ、目を開けるとそこは線路の上ではなかった。

どうやら誰かが助けてくれたらしい。

「あっあの…」

ありがとうと言おうとするも、うまく口が動かない。

香を支えている手が放され、香は座り込んでしまった。

「…お前、三谷島中学…?」

「…え?」

三谷島中学は香が通っている中学だ。

驚き、顔を上げた香は目を見開いた。


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