永遠の愛を(番外編も完結)
「もうすぐ卒業だし、この街からいなくなっちゃうよね。きっと…」

「…そう、なのかな…」

「絶対にそうだよ。慶斗先輩に会えるのもあと少ししかないんだよ。」

「…………」


胸が苦しくなった。

なぜかは分からなかったけど、もう会えなくなると言われたから?

お母さんに置いていかれたあの時の苦しみが、蘇ってきそうな感覚に胸がぎゅっと痛くなって怖くなった。

あの感覚に飲み込まれてしまうのは…もう嫌だ…。

「そう思ったら、このままさよならなんて嫌だと思って。例え振られても、好きだった気持ちは伝えたいって思ったんだよね。」

「…伝わるといいね。唯ちゃんの気持ち」

「ありがとう…」

そう言って唯ちゃんははにかんで見せた。
< 116 / 362 >

この作品をシェア

pagetop