永遠の愛を(番外編も完結)
私は一体何をしていたんだろう。

大切な友達を裏切ってしまった自分に今更ながら嫌悪感を感じた。

唯ちゃんもお手洗いに来たものだと思ってたのに、彼女はドリンクバーに行くつもりだったらしい。

「ここって迷路みたいだよね。」

そう苦笑しながら元来た道を戻っていった。

お手洗いから戻り部屋に入ろうとしていた私の肩を誰かが叩いた。

驚いて後ろを振り返ると、そこには口元に人差し指を立てた岡田くんが立っていた。

「ちょっとだけ、いい?」

頷き、彼の後をついて行く。

一番端にあった私たちの部屋から少しだけ奥に進むと、ひとけのない薄暗い階段があり非常口マークの灯りだけが浮かびあがっていた。

その踊り場で立ち止まった彼の背中に声をかける。

「…岡田くん?」
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